かけふ日記

70代ゲイが世界の片隅で吠える

木曜日  理解を超えたるもの

 今の私は、ちょっと憂鬱な気分。

この間から、小川哲著の「嘘と正典(短編集)」の第1章「魔術師」を読み始めたけれど、全く頭に入って来ません。

 

 小川氏の本を読むのは初めてなので、文章にまだ慣れていないせいもあります。

そして又、登場する主人公の魔術師が出し物としてタイムスリップをして見せるのですが、タイムスリップの説明がややこしくて私のイメージがふくらまずに萎んだままなのです。

取り合えず小川氏の小説は降参して、次の本を読もうと思っています。

『嘘と正典』|本のあらすじ・感想・レビュー - 読書メーター (bookmeter.com)

 

 今日は曇天で午後からは小雨。

台風がまた日本に近付きつつあり低気圧、そして私の心も低気圧。

 

 そして、5月28日(日)に民放で放映されていた映画を今日、再生して見たら難解で又もや私の心はどん底

 

観た映画は「ファーザー」で、英国、仏蘭西、米国のドラマ映画で2021年制作。

そして、劇作家フローリアン・ゼレールの初監督作品。

 

 主人公は80才の男で認知症

男の過去と目の前の現実の境目が曖昧になって行くというストーリー。

 映画の映像は、認知症の男目線で撮影をしたもので、少し難解でした。

そして最後に選んだ選択とは?

 

 主人公の男の役はアンソニー・ポプキンス(主演作品、羊たちの沈黙、娘の役はオリヴィア・コールマンが演じましたが実に名演。

出て来る数少ない俳優達の演技も名演過ぎて驚きと感動ものでした。

 

 ただ、主人公が認知症なので、現実か、幻覚かの境目が曖昧で本人自身が苦しみ深い孤独の世界に落ちて行きます。

そして観ている私はと言えば、頭の中の整理がつかず引っくり返ってしまいそうでした。

 

 最後の最後、認知症の男は施設に入れられてしまいますが、我が身に置き換えて考えると現実の厳しさで心身が縮こまる思いでした。

 映画「ファーザー」 の  サイト

        予告編→映画は「ファーザー」 - Bing video

 

 よく、介護施設や精神病院で入所者が虐待を受けています。

そういう、表面上、壊れて行く人達を見ていたら、血気の多い若者の目には、人間の尊厳なんて感じられなくなるのでしょう。

ちょっと、残酷な物言いですが。

 

 そして、人間だから戦争を起こすのか?

非人間だから戦争を起こすのか?

 

明日も、心みたされる充実した一日が訪れますように。